司法修習生のみなさまへ
一緒に、ひまわりの花を咲かせませんか
司法過疎って何?
司法過疎地とは、人口に対して弁護士の数が少ない地域のことをいいます。
日弁連は、ゼロワン地域(地裁支部管轄内に弁護士がゼロもしくは1人の地域)を解消するため、全国にひまわり基金法律事務所を設置して、弁護士が少ない地域に弁護士を派遣し続けています。
当事務所は、北海道内のひまわり基金法律事務所の所長となる弁護士を養成する事務所です。
司法過疎の何が問題なの?
身近に弁護士がいない地域の住民は弁護士による法的サービスを十分に受けられません。
弁護士がいないために、弁護士に頼めばよりよい紛争解決が図れた場合にも、弁護士がいないという理由で十分な解決が図れないこともあるかもしれません。同じ日本に住んでいるにもかかわらず、住んでいる場所によって受けられる法的サービスに差があるという不平等が生じてしまっているのです。
司法過疎の問題は、基本的人権の問題とも深く関連しています。
北海道の司法過疎ってどうなの?
北海道は、土地が広大であるがゆえに、全国のなかでも司法過疎の問題が深刻な地域です。
例えば、日本最北端の地、稚内市を含む、旭川地方裁判所稚内支部の管轄面積は、奈良県の面積に相当します。奈良県弁護士会では、弁護士の人数は100人を超えていますが、旭川地方裁判所稚内支部では、稚内ひまわり基金法律事務所を含めて2人の弁護士で、地域の法律問題を一手に引き受けています。
北海道内どこにいても、誰であっても弁護士による法的サービスが受けられるように、当事務所では町の皆様に寄り添った活動ができる弁護士を、代々育成しております。
すずらん基金法律事務所の特色
① 安心の指導環境
すずらん基金法律事務所には、いわゆる所長弁護士というのはいません。自分で考え、自分の責任で事件を進めます。
事件の進め方に不安になるときがあっても、経験豊富な弁護士が指導担当としてすずらん社員1人に対し2名つきますので、事件処理の仕方から手続きでちょっと躓いたことまで、悩んだときはなんでも相談できる環境が整っています。
② 事務所の経営も学べる
弁護士それぞれが代表弁護士となるので、事務所の経営も自分たちで行っています。弁護士として若手のうちから、実践的な事務所の経営の仕方を学ぶことができます。
体験談
海の町から畑の町へ!
元 紋別ひまわり基金法律事務所所長 田村 秀樹
晴れた日の「オホーツクブルー」に染まった海が恋しくなる今日この頃です。
私は、平成26年8月から4年間、紋別ひまわり基金法律事務所の所長を務めました。
赴任中感じたのは、押し寄せる高齢化の波と、無縁化社会化の急激な進行でした。親族は生活しやすい札幌や本州に出て行ってしまい、残されたご高齢の方や障害をお持ちの方が問題を抱えている、というケースを幾度も経験いたしました。このような地域で活動する弁護士は、日々の相談業務にあたることはもちろんですが、それ以外に「セーフティネット」、一つの社会資源としての役割もあるのではないかと思うに居たり、他職種、多士業との連携などに取り組んできました。いずれも得がたい経験でした。
堅苦しい話はさておき、この4年間は本当に密度の濃い、充実したものでした。日常生活に不便を感じた面もありましたが、それでも、鮭を捌けるようになったり、氷を削れるようになったりと、この4年間で人生の経験値がすごくアップしました。
今後は、海の町から一転、畑に囲まれた岩見沢市で独立開業することとなりました。地縁があるわけでもなく、文字通りゼロからのスタートです。ですが、弁護士へのアクセスが難しい地域において弁護士業を続けていくことで紋別での経験が生かせるのではと考え、今回、日弁連の偏在地域独立開業支援制度を使って開業させていただきました。場所は違えど、今後も、道内の司法過疎問題に関わり続けていきたいと考えています。
留萌から札幌へ
元 留萌ひまわり基金法律事務所所長 二村 沙絵
私は、すずらん基金法律事務所の養成を経て、平成27年11月より、留萌ひまわり基金法律事務所代目所長として勤務して参りましたが、この度、3年間の任期を満了いたしました。
任期中は様々な活動に参加させていただき、たくさんの貴重な経験をしました。士業(団体名「六友会(りくゆうかい)」で無料法律相談会や勉強会等を実施しました。また、地域包括支援センターや社会福祉協議会との成年後見勉強会や障がい者劇団(「スマイル劇団るもい」)にも参加する機会をもいただきました(今年の発表会ではUFO役をもらいました)。また、沢山の方々と沢山飲みました。自然の脅威にも触れ、ほぼ毎年、暴風雨、暴風雪に遭いました(1年目は爆弾低気圧でオロロンラインが封鎖され、2年目は暴風雨で風車の羽が折れ、管理物置も全壊し、暴風雪で灯台が倒壊しました。任期満了2日前も暴風雨です。)。
私は、留萌に弁護士としても人間としても育ててもらいました。「人に支えられて今の自分がある」ということを実感しました。仕事や事務所運営で悩むことも多かったのですが、その度に仲間が愚痴のみに付き合ってくれ、励まし支えてくれました。一人では決して任期を全うできなかったと思います。
平成30年11月からは、札幌市内の法律事務所にて執務を開始いたししました。留萌で学んだことを活かし、引き続き司法過疎問題にも取り組んでいきたいと思います。
すずらん事務所からひまわり事務所へ
元 浦河ひまわり基金法律事務所所長 平山誠
この度、浦河ひまわり基金法律事務所の3代目所長弁護士に就任いたしました平山誠です。
浦河町はハンバーガーチェーン店等が在りませんので、札幌と比べると私生活はそれなりに不便です。しかし、地域住民の皆様によくしていただいているため、浦河町での生活は辛いものでなく、むしろ居心地の良さを感じております。
仕事面では忙しい日々を過ごしております。日高地方東部で起きた事件の多くが浦河ひまわり基金法律事務所に持ち込まれるため、相談件数は比較的多いです。事件の種類も多種多様であり、良い経験をさせていただいていると感じております。
また、地域住民の方から、「弁護士が浦河に来てから、町民が弁護士を利用する文化ができた。」と仰っていただく機会があり、初代所長の葉山裕士弁護士、2代目所長の小荒谷勝弁護士のご尽力により、浦河ひまわり基金法律事務所が日高地方東部を中心に根付いていると感じました。私も先代所長のように、日高地方の住民の皆様からの信頼を得られるよう、浦河の地で執務にあたりたいです。
根室ひまわり基金法律事務所に赴任しました!!
現 根室ひまわり基金法律事務所所長 山部優太
この度、根室ひまわり基金法律事務所の7代目所長弁護士に就任いたしました山部優太です。
根室市での生活は、札幌市に住んでいたときと変わりなく日常生活を過ごせている以上に、山紫水明の深い道東の自然を堪能することができ、生活は非常に充実しています。さらに、根室市はジャズの街ということもあり、街角ではジャズが流れる時間帯があります。事務所の窓を開けて執務をしていると、ジャズが聴こえてきますので、所内で音楽を流さなくてもリラックスして執務に取り組むことができています。私もジャズのように自由な発想をもって、根室市及び近隣市町村において、より弁護士に相談しやすい環境を醸成していきたい所存です。
私は、7代目所長弁護士として、歴代の所長が培った歴史の長い根室ひまわり基金法律事務所の信頼を損なわないよう執務に取り組んでいきたいと思っております。
「最北の地」稚内より
現 稚内ひまわり基金法律事務所所長 池田慎介
私は、すずらん基金法律事務所で2年3か月間執務を行ったのち、稚内ひまわり基金法律事務所へ赴任いたしました。
さて、この原稿を書いているまさに今、外ではものすごい風の音がしています。家の外階段の手すりが飛んでいくのではないかと思うほどです。家も少し揺れているような気がします。稚内といえば、風、と皆さん仰いますが、住んでみると本当にそのすごさを感じます。赴任前の見学では、なぜかあまり風が吹いておらず、意外と楽勝かなと思っていたのですが、甘かったようです。
そして、稚内といえば、やはり鹿です。普通に町中にいます。公園、図書館の前、駅前…、普通にいます。周辺町村への出張の際にも道端でよく見かけます。こちらでは鹿とぶつかって廃車になったという話をよく聞きますので、気を付けて運転しようと思います。
弁護士らしい話をしていなかったことに気づいたので、少しお話いたします。稚内は、人口の3割程度が高齢者ということもあり、高齢者関係の事件(債務整理、消費者事件、後見など)が多いように思います。稚内市及び周辺町村の地域包括や社協と協力して進めていく案件も多いです。また、稚内及びその周辺町村(特に利尻・礼文)は、距離的ハンデの大きい地域でもあります。名寄や旭川といった大きな都市へも車で3~4時間の移動を余儀なくされます。そのハンデを抱えながら、どのように弁護士業を行っていくかを考えることが私の今の使命だと思っています。「最北の地」稚内にて、使命を果たすべく、全身全霊で業務にあたってまいります!